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Vol.81 新人教育は「自分たちの時代との違い」に注意せよ
「採用の失敗」を検証するには、面接におけるジャッジメントと
自社の教育体制の二つがポイントであると以前述べました。
 
そして自社の教育体制を検証し見直そうとするとき、
経営者や経営幹部が注意すべき点があります。
 
それは自分たちが若い頃、現場の最前線で活躍していた時代と
現在の若手社員を取り巻く環境は大きく異なるという事実です。
 
「俺たちが現場にいた頃は、自分で先輩や上司のやり方を盗んだものだ」
「新人に手取り足取り教えてやるなんて生ぬるい」
 
人一倍努力して成功した人ほどそう感じるかもしれません。
しかし現状において、そんなことを言っていたら独り立ちする前に退職する新人が増える一方です。
 
こう言っている私自身、完全に納得しているわけではないのですが、
基本的にはある程度、新人のフォローを手厚く行う方向にならざるを得ないでしょう。
 
人材紹介業においても、私自身が最前線に立って営業したり若手社員を育成したりしていた時と比べ
物事の動くスピードが圧倒的に速くなり、それゆえいろいろなことが複雑化しています。
 
たとえば、私が最前線にいた時代は、候補者がやり取りをする相手は基本的に私1人でした。
 
昔は選び抜いた渾身の一社を提案し、候補者もその一社の話だけを進めていき、
最後はその会社に決まるか決まらないか、という流れだったのです。
 
しかし現在は1人の候補者が同時に複数の人材紹介会社のキャリアコンサルタントとやり取りを行い、
一度に5社も10社も応募し、その中から転職先を決めるようになっています。
競合も案件も増え、結果的に決定数はそれほど変わらないのかもしれませんが、
以前に比べ仕事の量は大幅に増加し、非常に忙しくなっています。
 
昔のシンプルなやり方はもう通用せず、業務が複雑化しているのですから、
いきなり新人を放置して「頑張れ」というだけでは、初めに登る山としては高すぎます。
最初のうちは上司や先輩社員が伴走して成果を出しやすくしてあげたり、
注力すべきポイントを教えてあげたりしないと、惜しい人材が早期離職してしまいます。
 
現在でも放置して勝手に育つ人材はいるでしょうし、手厚くフォローしても脱落する人はいるでしょう。
しかしちゃんとフォローしてあげれば一人前に育つのに、ちょっとしたことでつまずいたり
不運が重なったりしたために脱落してしまう人もいます。
 
自分たちの時代の感覚で新人教育を行うと、こうした不幸を増やすことになります。
 

※このコラムはお客様向けに毎月配信しているメールでご紹介している内容をそのまま掲載しております。

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